
5月26、27日の両日、リヴィウにある「救済動物の家(Домівка Врятованих Тварин)」が「メガ・フェア(Мега Ярмарок)」と題する緊急イベントを開催しました。「救済動物の家」の共同創設者であるオレスト・ザルィプシィキーによると、2日間のフェア開催中に301,895フリヴニャ(日本円で120万円程度)が集まったということです。
ロシアからの侵略中、遺棄された動物たちを保護してきた「家」
「救済動物の家」は今からおよそ5年前、リヴィウ中心地から北東に位置するズネシッニャ(Знесыння)公園の一角にオープンしています。以来、遺棄されたり、虐待されたり、放置されたりした動物たちを保護するボランティア事業を開始しました。犬や猫はもちろん、ウサギ、キツネ、リス、アライグマ、様々な種類の鳥など、ありとあらゆる動物を保護。引き取り手の見つかった動物は委譲し、一般家屋で飼育の難しい鳥や大型動物は園内で飼育しています。



とりわけ、2022年2月にロシアの侵略が始まってからは、精力的に東部や南部の被災地に出向き、爆撃を受けた建物付近で弱っていた動物たちを保護していました。


5月17日、経営状態の悪化から閉鎖を発表
しかし、戦争が長引くにつれ、「救済動物の家」の経営状況は悪化。今年に入ってからは支援者に向け、物資及び金融支援をよびかけるようになっていましたが、物価の高騰で支援者の経済状況も厳しく、支援が難しい状態になっていました。
とりわけ、医療施設への負債がかさみ、動物たちの食料や備品の調達にも事欠くようになったことから、ついに、5月17日、共同創設者のザルィプスィキーがFacebook錠で救済動物の家の閉鎖を発表しました。
ボランティアたちが「救済動物の家」の救済活動を開始
一方、この報を受けてボランティアたちが奮起。Telegramにチャットを解説して支持者を募りました。私自身もこのチャットに参加していますが、ほんの数時間のうちに700人を超える支持者が集結。まずは借金返済をしようということになり、「救済動物の家を救おう」というスローガンのもと、次の週末にあたる25、26日の両日、メガ・フェアを開催することになりました。
メガ・フェア開催


メガ・フェアには、17日の閉鎖の報を受けて市の支援を申し出たリヴィウの第一副市長アンドリー・モスカレンコが来園。また、SNSで人気のウクライナ軍猫シャイバ(Шайба)も登場。フェアを盛り上げてくれました。


2日間にわたるフェアでは、ボランティアたちが自作の手工芸品等を提供。300,000フリヴニャ(120万円程度)を超す収益をあげました。制作費も工賃も自腹を切っていますので、収益はすべて負債の補填に回せました。結果、借金を完済することができました。ボランティアチャットは引き続き活動中で、現在、第二弾、第三段の催しを企画しつつ、市や国内外のスポンサー・出資者候補と交渉中です。
私達にとっての「家」
ボランティア参加者の立場から言うと、「救済動物の家」は単なる動物避難所ではなく、戦争中の困難なペット問題を共有してくれる場所です。ロシアの侵略が始まって以来、避難者によって置き去りにされた路上動物が増加。そうした動物たちの間で感染病が広がっているのも問題です。
ボランティアたちはそうした動物を見つけては保護し、新しい飼い主を探していますが、物価の高騰で多頭飼いの飼い主の負担はかさむ一方。ペット医療費も高額。さらに、移住者のための新建築が増え、ペット可の物件が激減という厳しい状況にあります。「家」はこうした状況を共有し、一緒に悩み、一緒に考えてくれる存在です。
残念ながら、市の全面的な協力が得られる可能性は極めて低く、ペット医療機関との協力も難しいため、今後も私達ボランティア自身が「家」を守り、「家」の動物たちを守っていくことになります。一週間ちょっとで立案・計画・実施し、週末の2日間で300,000フリヴニャを超える収入をあげられたことは、私達にとって大きな自信になりました。

