昨年11月、ロシア語話者のウクライナ軍人に対する言動が元でリヴィウ工科大学を解雇されたイリーナ・ファリオン元教授が、控訴審で逆転勝訴。元職への復帰と欠勤期間の給与補填判決を勝ち取りました。

5月29日に結審したリヴィウ控訴審は、工科大学によるファリオンの解雇を妥当とした一審の判決を破棄。元の地位に復職させるとともに、ファリオンに対して職務につけなかった期間の給与と弁護費用を補填するよう、大学側に命じました。期間内の給与額はおよそ124,000フリヴニャ(日本円で48万程度)と報じられています。
イリーナ・ファリオンはウクライナ語の擁護者として有名な言語学者。バンデラ主義者としても有名で、ウクライナ語に基づく愛国的発言で知られてきました。政治家としての経歴もあり、メディアでの露出も多い彼女の動向は常に大きな注目を集めています。
今回、ファリオンが解雇されたのは、2023年11月、ロシア語話者のウクライナ軍人、特にアゾフスターリの兵士に向けた発言が発端。特に問題となったのが、「ウクライナ語を話さないロシア語兵士はウクライナ人とはよべない」という彼女の言葉で、アゾフ兵士を英雄視する若い世代から大きな非難を浴びました。
ファリオンの勤め先であるリヴィウ工科大学でも学生が集結して、大学に対処を要求する騒動に発展。大学内にはファリオンの支持者もいたものの、最終的に、11月15日、大学が正式にファリオンを解雇しました。
しかし、この措置に対し、ファリオンが「解雇命令は不当」として訴訟を開始し、12月にハリチナ地方裁判所に解雇取り消しを求める訴状を提出。2月7日に地方裁が「解雇は妥当」の判決を出すと、ただちに上告し、今回の勝訴に至っています。
控訴審の法廷にはファリオンの支持者が集結、閉廷後、「ウクライナに栄光を!(Слава Україні!)「英雄たちに栄光を!(Героям Слава!)」の声が響きました。一方、リヴィウ工科大学の弁護士は、今後の動向については控訴審判決全文を受け取った後に決定するとプレスに述べています。


